先日ソチ五輪が閉幕した。これからパラリンピックが始まるとか。もう始まったのか？イマイチその辺は把握していない。

　正直言えば、実はパラリンピックってなんだろうって思うことがよくある。パラリンピックでは車椅子を使ったバスケットや、義足で走る100m走などが行なわれる。冬の場合はどうなんだろう。その辺もよく把握していない。で、そういうのをオリンピックとは区別した競技ということになっていて、その辺がよくわからないのだ。特に冬の場合。

　冬の五輪、そこそこ感動をした。スキージャンプにスノーボード。あれ、なんか変じゃないか。器具に頼っているぞそれ。生身の人間が素足で雪山を駆け下りるんじゃないし、カーリングだってブラシなんて使っちゃってる。義足で走るのと何が違うんだ？

　ちょっと微妙なことを言ってるのは判ってます。でももうちょっと続けます。

　オリンピックとパラリンピックを分けているものって何なんだろうって思うのだ。健常者と身体障害者ということなのか？でもどう考えても僕なんかよりパラリンピックの選手の方が肉体的に優れているしきっと健康だ。どう足掻いてみたところで僕はあんなパフォーマンスが出来る筋肉も反応力もセンスも持ち合わせていない。それに鳥から見てみればジャンプで100m飛ぶなんていうのは「なにが飛ぶだよ、落ちてるだけじゃないか」というようなものでしかないわけで、じゃあ鳥の世界に行けば人間などはすべて身体障害者だ。だが飛べないことで自分を障害者だと思っている人なんていないと思うし。

　ついさっき、妊活してる女性の文章を読んで、そこには「薬飲んだり注射したり。自分だけの力でできないのは正直くやしい」的なことを書いてあった。その悔しさってなんだろうか。気持ちはわかるのだ。だが、わかるっていうその思いこそが、なにかこちらとあちらを分けてしまっているような気もしないでもなくて。それが、僕がオリンピックとパラリンピックを一体にせずに別の大会とすることで生み出している「こちら」と「あちら」感への違和感でもあるのかもしれないと、ちょっと思うのである。

　世の中には生活習慣病で薬飲んでいる人も沢山いて、そういう人は薬の力を借りなければ早くに合併症が出たり死んじゃったりする。そういう人はこちらなのか、あちらなのか。薬を飲んで健康を維持している人は悔しがるべきなのか。なんでも自然に普通にこなさなければいけないのか。こなせない人は悔しがるべきサイドの人間ということになるのか。

　そんなことを考えてしまい、結局明確な結論なんて出せないのだけれども。まあ、パラリンピックを見る時、「ホントすごいよなアスリート」というような感覚で見るのが正しいように感じていて、「障害者なのに頑張ってて、健常な自分は応援しちゃうよだって可哀想じゃん」的な感覚で見るのはやはりどっかおかしいような気がしてて。だからもういろいろな器具を使うカテゴリー分けをした上で、全部オリンピックにしちゃった方がスッキリするんじゃないのっていう、そんな気がしたのだ。まあそんな気がしている時点で「こちら」と「あちら」を意識しちゃってんじゃないかというちょっとした自己嫌悪が無いわけじゃないんだけれども。

　Google日本語変換、確かに良い感じ。でも僕はことえりに戻したよ。

　理由その１。これまで登録してきたいくつかの定型文がすべて使えない。そりゃそうだ。ことえりを自分に使い易いようにカスタマイズしてきたのだ。Google変換で活かされるわけがない。いや、うまく連結することも出来るのかもしれないけれど、そのやり方はわからないし、わかるようになるまで使い込むのもなんだかなあという感じが正直なところ。

　理由その２。記号のショートカットが全部違う。たとえば『』だ。ことえりならばshiftキーを押しながら「」を押せば良い。だがGoogle変換ではそれではダメだ。「かっこ」と打って、変換させる。それで出てくるのは「『」ではなく「『』」だ。カーソルを戻して中身を打つなんて、面倒臭いことは嫌なのだ。

　その２つの理由をもって、Google変換とはさようならでした。よく考えたらことえりでそんなに不自由をしていたわけじゃなかったんだ。Google変換に浮気してゴメンよことえり。これからもよろしくな。

　もう長いことことえりを使ってる。ことえりを使っているのは、それ以前に使っていた一太郎の文字変換、あれなんて名前だったかなあ、とそのくらい昔の話なのだが、そのジャストシステムの変換のソフトが有料だったし、OSが変わったりするたびにバージョンアップするとかしないとかで追加でお金かかりそうだったりして面倒くさくて、それでことえりを使うことにしたのだった。

　最初（OS8とかの頃）のことえりは使いにくくて、それで有料でもジャストシステムのやつを使っていた。当時はコンピュータに関連するものはみんな有料で当たり前だったし、機能を考えるとまったく抵抗なかった。でもバージョンアップで追加の金ってシステムはやはり限界あるよ。それで、ことえり。これならOSに付いてくる。それを使ってて、そんなに不自由を感じたりはしなかった。

　しかし、ここしばらくで数人からGoogle日本語変換が良いと聞いて、入れてみることに。Googleが好きなわけはないけれど、でも機能としてはどれも秀逸。だから変換もきっと優れているんだろうというのは容易に想像できる。で、さっきインストールしてみて、このブログが初めてのGoogle日本語変換体験。

　これ、なかなか良い。キーボードを叩くだけで次々と変換の候補が表示されていく。その表示に最初は戸惑ったし、どのキーを叩けば次候補に行くのかなどはまだ慣れが必要なんだろうけれど、きっとすぐに慣れる。いいのを見つけたなという気がしている。

　しかしこれに慣れると、他のデバイスでもこれじゃなきゃダメって気になってしまうのかもしれない。それはOS8の頃に「お金出してもジャストシステムの」って思ったのと同じで、他のFEPに我慢できなくなったりするようなアレで。だからある意味「ことえりでいいや」という気持ちのユルさが無くなってしまうのは困るなあという思いは少しある。でもまあ、Google日本語変換無料だし、とりあえずはしばらくこれを使ってみようかなあという、そういう思いです。

　昨日息子を自転車に乗せ、京都市内を二人旅。いろいろまわって最後自宅近くの雑貨屋さんで支払いをしようとして、財布を紛失していることに気付く。

　やばい。で、買おうとしていたものを元に戻して一旦帰宅。息子をそのままにはしておけないからだ。そして途中立ち寄った和菓子屋とショッピングセンターに電話。もしかしてそこで落としてないかということで、でも結果は見当たらず。

　いよいよヤバい。銀行のカード関係がほぼ全部入っているので、月曜からの仕事にも生活に支障をきたす。奥さんは「カードを止めてもらえば、財布に入っている現金くらいだよ無くなるのは。たいしたことないから大丈夫」と励ましてくれるが、止めにいく作業と、現金を下ろすのに窓口でやらなきゃならない手間が面倒だ。そしてカード再発行には1000円ほどかかる訳で、10枚以上入っていたから10000円以上かかる。しかも10日ほどは待たされる。考えるだけで鬱陶しい。

　で、今日移動した道を逆に辿る旅に出発。ショッピングセンターカナート。無い。電話で確認してもらった２つの場所ももちろんだが、それ以外の場所もくまなく見る。無い。しかたなく北大路通を西に向かう。賀茂川土手。息子が自転車の上で疲れて寝たときに停車して休憩したベンチの可能性がある。日が暮れかけているその土手に、ベンチに、あった。

　息子が眠って前傾姿勢になったとき、首筋が寒そうだったのでポケットに入れていたニットキャップを取出してかけてあげたのだった。その時に落としたのだろう。その時から2時間半ほど。よく残っていた。助かった。ありがたかった。

　そこから帰宅する途中、僕はたこ焼き屋に寄った。息子と帰る道すがら、たこ焼きを買おうと考えたことを思い出したのだ。その時は、もう既におみやげには阿闍梨餅を買ってあるし、たこ焼きまで買ったら贅沢だと奥さんに叱られるかもしれないと躊躇していたのだった。その奥さんに「無くなるのは財布に入っていた現金くらいだから心配要らない」と励まされて、ずいぶん気持ちが軽くなったのだ。財布が見つからなかったら所詮無くなっていたはずの数百円だ。それを奥さんへの追加おみやげに買うくらいばちは当たるまい。

　しかし、最初に息子と立ち寄っておけば良かったとも思った。そうしたらその時に財布が無いことに気付けただろう。でもあれだ、そんなところで気付いていたら息子を家に戻さずに財布探しに出かけていたかもしれないわけで、それはそれで困ったことだったし気もそぞろで危険だったろうから、やはり立ち寄らずで正解だったのかもしれない。それに雑貨屋で気付いたから棚に戻せば良かった訳だが、たこ焼き屋で焼いてもらったあとに気付いたら、棚に戻せばいいというわけにはいかない。やっぱりたこ焼きを躊躇して正解だったのかもしれない。

　なぜだかな、真央さんと書くのはヘンな気分なんだな。真央ちゃんとやれば変換も出るのに、真央さんとやると変換出なかった。そういうものなのかもな。

　さて、真央ちゃんのソチ五輪も終わり、結果6位。6位だって立派なものだぞ。でもそんなところを狙っていたんじゃないだろうから、やっぱり悔しかっただろう。観てる僕だって悔しかった。いや、悔しかったというのとはちょっと違うな。SPでの「ええ…、あれあれ…」という感じと、昨夜未明の「うーん、SPさえ普通にやれてれば」という感じ。SPでコンビネーションを入れてさえいれば、3Aが転倒でももう少し互角に争えたんじゃないかって、そんな想い。

　ただ、真央ちゃんのフリーをこんな気持ちで観たのは初めてだったような気がする。いつも優勝がかかった演技であり、ジャンプ。彼女が常に口にしてた「ノーミス」という言葉は「ノーミスならば優勝なんだから」という意味だったように思う。でも、きっとノーミスでも優勝ではないだろうというのが前提の、スケーティング。だからある意味、親が子供の運動会で「転ばずに走ってね」という気持ちで見るような、そんな想いで僕は見ていたような気がする。

　そう思うと、スケートってやはり芸術なんだなという気がした。シルクドソレイユなどの舞台もアスリート並みの肉体が要求される。だがそれを見る時に競技としては見ていない。もちろんスケートも競技とは違う舞台がある。元五輪選手が出るなんとかオンアイスってやつ。もちろんそれも結構すごいのだが、なんとなく、なんとなくだが、現役引退した野球選手が試合するようなものに思えてしまうのだ。

　真央ちゃんのソチ五輪フリーの演技は、まだそんななんとかオンアイスの演技とは違うし、完全に諦めるべき状況でもないし、事実日本選手最下位だったSPから2人を抜き去り日本人トップになった。それはやはり競技のスケーティングであったのだが、しかし日本人トップになるためのジャンプをやっていたのでもなく、かといってメダルを狙うためのものでもなく、ただひたすらに、自分のスケートをアスリートとして結実させるためのジャンプだったしスケーティングだった。

　最後の涙はなんだったんだろう。心境を想像することは容易だ。だが、言い当てることは難しく、理屈として理解出来たとしても、同じ心境になることは不可能だろう。それはバンクーバー以後の彼女の努力は彼女にしか解らず、努力とともに失ってきた様々なことの重みを完全に理解することなど誰にも出来ないからだ。でも演技が終わり、顔をくしゃくしゃにして感情をあふれさせたあと、また笑顔で観衆に挨拶をしているのを見て、なんか、良かったなと思った。いくつものジャンプを成功させたことも良かったけれど、結果として笑顔を取り戻せたのであれば、そちらがなによりだという気がする。いやまあそれも表面上の笑顔でしかなく、本意は彼女自身にしかわからないのだろうけれど。

　今回の五輪は、なんか面白かったような面白くなかったような。あまり注目もしていなかったけれど、結果として、いろいろなドラマがあったような気もしている。で、真央ちゃんは失敗しても注目され、やっぱスターってこういうものなんだろうなあと思った。スターというより、ヒロインなのかもしれないけれど。

　息子1歳7ヶ月半は、最近お箸に夢中だ。

　いや、もちろんまだつかめやしない。箸のトレーニングに輪っかがついた箸を売ってるそうだが、まだそれを買って与える段階でもない。ただ大人が持って使っているのが羨ましいのだ。オレにも貸せというからお弁当箱用の短めの箸を与えると、ご飯をつかもうと懸命になる。このところフォークを使うことは結構出来るようになった。納豆を一粒ずつフォークで刺して口に運んでいる。だから時間がかかることかかること。でもまあそれがトレーニングになるのだろうから、こちらもじっと我慢して見守っている。もっとこうすれば上手く刺せるのに。そういう思いをグッと噛みしめながら、見守っている。

　赤ちゃんがいろいろなことを出来ないのには２つ理由がある。ひとつはまだその準備が肉体的に出来ていないということ。このところの五輪中継で、世界のアスリートが華麗な技を繰り出したりしているが、その技を行なうためには筋肉が必要だ。普通のオッサンにはその筋肉が無いから、当然そんな技など出来ない。赤ちゃんが箸を使えない理由のひとつには、箸をコントロールするのに必要な筋肉が備わっていないということがある。それはもう確実にある。筋肉はなにも力強いものだけではなく、繊細な動きを脳の指令に基づいて着実にやるためのものだ。右利きの人が左手で箸を使えないのも、やはりトレーニング不足からくるコントロール筋肉の未発達が大きな理由といえよう。

　もうひとつの理由というのもあって、コツがつかめていないというものだ。大人だって箸の使い方がおかしな人はたくさんいる。右手で文字を書ける人なら、コントロールは結構出来るはずなのに、正しい箸使いが出来ていないのは、どういうのが正しい箸使いなのかを理解していない、つまりコツがつかめていないということなのだろうと僕は思う。

　そう思ったのは、最近の自転車通勤の経験からだ。息子を乗せていろいろなところに行くため、昨年末に自転車を買った。ほぼ10年ぶりに乗る自転車は意外と大変で、しかも京都はなだらかな坂が多く、延々と続く上りでは結構疲弊するし、スピードがほとんど出ない。そういう時に立ち漕ぎをすれば、体重を利用したパワーを活かせるのだが、立ち漕ぎは少々前傾姿勢になるし、夜道には危険だ。なので出来るだけ立ち漕ぎを避け、したがってスピードを出すのにかなり骨が折れる。もちろん本当に骨折はしないのだけれど。

　で、いろいろな漕ぎ方を自分なりに試してみた。固定観念として、ペダルを強く下に押すというのが僕の漕ぎ方だった。昔乗っていた自転車ではサドルも高い位置に調整出来たが、今乗っているのは子供を乗せる用で、サドルをさほど高く出来ない。だからどうしても脚が常に曲がった状態でペダルを漕がなければいけない。そのため縦の力を使いにくい。例えていうならば二の腕だけで物を持つような感じ。肩の筋肉を使えば雑作無いことも二の腕だけで持つからすぐにぷるぷると震えるような、そんな感じ。

　だが数日前、ふとしたきっかけで僕は前に蹴ってペダルを漕ぐようになった。それだと腰や太腿も上手く使って漕げることがわかった。立って脚を上げて、そこから前にいる人を蹴るような感じ。パワーが出る。座りながらでも筋肉の力を上手くペダルに伝えることが可能。効率のいい漕ぎ方だから、速度も出せるし疲れにくい。これがコツというものなんだなと実感した。

　いろいろなことがまだ上手く出来ない1歳７ヶ月半にとっては、出来ないことが多いから、毎日が筋力とコツを獲得するチャレンジに溢れている。だから伸びる。一方大人はほとんどのことをある程度出来るが故に、何かを獲得しようということを最初から考えてもいない。だが、他人が上手に出来るのに自分が出来ないことというのはとても多く、その違いを知り、秘訣を会得することが出来れば、何歳であっても伸びることが出来るのではないだろうか。49歳でイチローのようなバッティングが出来るようになりたいとは思わないが、自転車を上手く漕げるようになれたのはとても有意義だったし、そういう身近で素敵な成長がこれからも出来るんだと、思っただけで嬉しくなる。

　さあ、今日は何のコツをつかもうかな。